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基本的には、エンジンがあってタイヤが4本あって、ブレーキが効いてハンドルさえ切れればオッケーだったはずのクルマ。それがいまでは、実に様々な機能・機構が装備されている。特にバブル華やかりし頃には、ボディがでかくてスイッチの数が多い方が勝ち、なんて風潮もあった。
まあ、いまだに、これら新装備・新機構をテンコ盛りするしか能のないメーカーもあるようだが、言うまでもなくこれらの装備には、役に立つものもあれば、グレードの差別化のためだけに採用されるクソ機能もある。この不景気の折、不要な機能に無駄な出費をする必要はない。カタログを読むときには、その機能が本当に必要か、役に立つのか、じっくり検討しなければならぬ。
それはともかく、今回はヘッドライトの光軸修正機能の話だ。この機能は、車内のインパネ回りにあるスイッチで、ヘッドライトの光軸を何段階かに調整できるというもの。といっても、そんな機能の存在すら知らない読者も少なくないだろうから、具体的なクルマの使用状況に当てはめて説明しよう。重い荷物を後ろに積むと、クルマの後部は下がる。当然、ヘッドライトは上を向き、対向車を幻惑する。だから、荷物を積む機会の多い欧州車などでは、ライトを下に向ける調整装置が当たり前のように採用されていたりするわけだ。
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このヘッドライトの光軸修正機能は言うまでもなく、後部に荷物を積むケースが多いワゴンなどにこそ必要な機能である。特に良心あるガルヴィ読者なら、ロービームなのにパッシングされ、対向車に申し訳なく感じたことも多いだろう。かといって、オートキャンプなどに出かけるたびに、ネジ回しを手にボンネットを開け、光軸を修正するのはタイヘンだ。こんなとき、ヘッドライトスイッチの横に光軸修正スイッチがあれば、チョイとライトを下向きにできるのだ。なんでこんな便利な機能が、オレのワゴンにないんだー!? あっさりタネ明かししちゃえば、実は最近まで、こんなに便利な機能がバカな法律で禁止されてたのだ。ところが、外圧に負けるようなカタチであれようやくその規制が解除されたのに、一向に普及する気配がないのである。なぜだ? WHY? なんでやねん?
昔、某メーカーの某車に“お疲れ警告灯”なるものがあった。エンジンをかけてスタートすると、速度だのハンドル切った数だのをコンピューターが数えてて、あるポイントになると「あなたは疲れていますから休んでください」……。ハッキリ言って、余計なお世話である。で、結局のところ日本のメーカーにとって、光軸修正機能もお疲れ警告灯も、グレード差別化のための材料でしかないのだ。だから、ユーザーの立場から本当に必要な機能でも、まず高級車のトップグレードから、コッソリ採用されるのに違いない。しかし、ここで私は、宣言するぞ。そういうクルマ作りに未来はない、と。 |
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